今話題のジルコニア製のインプラント、何がすごいの?

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    これまで、インプラント治療の歯根部分(インプラント体)とアバットメント(かぶせものとインプラント体をつなげる土台部分)には、「チタン」または「チタン合金」を使うことが主流でした。 しかし、最近では歯根部分とアバットメントに「ジルコニア」を使う歯科クリニックが増えてきています。すでに、インプラント先進国であるアメリカやヨーロッパでは主流になってきているそう。「なぜインプラントにジルコニアを使うことがオススメなの?」「ジルコニアとチタン、どう違うの?」「ジルコニアってそもそもどんなもの?」。今回はそんな疑問にお答えします。

    そもそも「ジルコニア」ってどんな素材なの?

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    ジルコニアは簡単にいうと人工ダイヤモンド。装飾品でその名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

    ジルコニアは、ジルコニウムに安定化剤を加えて酸化したジルコニアのことで、セラミックの一種でありながらダイヤモンドにも匹敵する強度と安定性を誇ります。そのため最近では包丁や人工関節の素材として、スペースシャトルの保護剤など、幅広い場面で活用されています。

    歯科医療の現場では、金属のかぶせものの代わりにセラミックが用いられており、中でもインプラント治療に使われるようになってきました。その理由はジルコニアの特徴から見えてきます。

    【強度がある】
    従来のセラミックや金属よりも強度があるので、欠ける・割れるといったことがなく力がかかる奥歯に使っても大丈夫。そのため、今までのセラミックでは無理だったインプラントやブリッジの土台として使われるようになりました。

    【変色しにくい】
    酸性、アルカリ性の食べ物や飲み物にさらされる歯は、意外に負担がかかっているもの。それはセラミックであっても同じで、経年劣による変色が報告されていましたが、ジルコニアは今までのセラミックよりも安定性があり、変色しにくいといわれています。

    【金属を使わない】
    ジルコニアはセラミックの一種。一切の金属を含まないため、金属アレルギーや金属が滲み出て歯茎が変色するという心配がありません。また、電流が流れることもなく、より体にやさしい素材といえます。
     

    チタンインプラントとジルコニアインプラントってどう違うの?

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    これまでのインプラントの主流といえば、チタン、もしくはチタン合金。チタンは他の金属に比べ、軽く、強度・安定性もあり、金属アレルギーも起こしにくいことから、重宝されてきました。

    しかし、チタンもやはり金属。チタンによるアレルギーを起こす可能性もわずかながらあり、また、お口の中に電流が発生することで体に害を及ぼすという心配もありました。さらにチタンにアルミやニッケル、パラジウムなどを含んだチタン合金になると、純粋なチタンよりもさらに体へ負担がかかることが考えられます。 それに比べてジルコニアインプラントは、金属アレルギーの心配がないことは、先ほど述べた通りです。そのほかにもジルコニアインプラントには次のような特徴があります。

    ・骨に対する結合力はチタンと遜色がない
    ・チタンよりも表面がなめらかで歯茎と馴染みやすく、親和性がある
    ・透明感ある白い色合いから審美性が高い ・骨よりも硬く、十分な耐久性がある

    チタンよりも美しく丈夫、骨や歯茎とも馴染みやすいということから、ジルコニアはインプラントの素材としてはかなり優れているといえるでしょう。

    高品質なジルコニアインプラント、費用は安い?高い?

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    これまで主流だったチタンに比べて安全性や品質が高いのなら、ジルコニア製のインプラントを選びたいところですが、気になるのは費用。歯医者さんによって開きはあるものの、ほかの素材に比べて1.5倍~2倍ほど高くなっています。それでは費用が高い理由と合わせて、ジルコニアのデメリットにも触れてみましょう。

    まずはジルコニアインプラントのデメリットについて。ジルコニアは人工ダイヤモンドですから、とても硬く、歯のかぶせものとして、繊細なインプラントとして加工するのが難しいという現状がありました。しかしいろいろな装置の開発によって、それが可能となり、かぶせものやインプラントとして活用されるようになってきたのです。そのため、今でも歯の治療に使うにあたって、次のようなデメリットがあります。

    【硬すぎて噛み合わせの歯を痛める可能性がある】
    天然の歯よりもジルコニアは硬いため、インプラントの上のジルコニアの歯の部分に十分な研磨を行わないと、噛み合わせの歯が欠ける・割れる可能性があります。

    【加工が難しい】
    インプラントの歯根部分は大きさ・長さにいくつかのパターンがあり、患者さんにあったものを選べばよいのですが、上の歯の部分の加工に関しては、硬さがあることから加工に技術が必要になります。

    上記の理由に加え、ジルコニアインプラントは、ジルコニア素材そのものがチタン素材より高いということもあり、治療費が高額になる傾向があります。相場はチタンインプラントに通常のセラミックの歯を作った場合の1.5倍から2倍ともいわれています。

    しかし、デメリットを差し引いても、体への負担・影響を考えると、ジルコニアインプラントの持つ特性は素晴らしく、これからおすすめの治療法といえます。


    体にやさしく、審美性の高いジルコニアインプラント、これからだんだんと普及していくに違いありません。しかし、まだまだジルコニアインプラントは普及途中。取り扱っている歯科クリニックはそれほど多くないのが現状です。メリットの多いジルコニアインプラントを考えてみたい!という方は、まずは口コミやネットなどで情報を探すことをおすすめします。

    クリニック選びには、きちんと話を聞いてくれる、複数の提案をしてくれる、症例数が豊富といった歯医者さんを選びましょう。信頼できる歯医者さんのもと、安全にジルコニアインプラントの治療を受けてくださいね。
     

    インプラントに失敗しないための病院選び

    インプラント治療を検討、またはおすすめされた時は、当然ですが、治療計画をもとに納得いくまで治療説明を尽くしてくれる病院を探すことが重要です。
    「仮歯」を用意し、シミュレーションを施してくれるところであればなお安心して任せられると思います。

    病院選びのチェックポイント

    • 治療開始から完成までの’スケジュール’を説明してくれる
    • 完成時の口内模型を作り、事前に’シミュレーション’をしてくれる
    • 「仮歯」
      (プロビジョナルストレーション)
      を使って
      歯の形やかみ合わせを十分に調整した上で治療にかかってくれる
    • 症例数、治療実績などの経験は多いにこしたことはありません。
      HPや病院パンフレットで公開されている病院を選びましょう。

    これらの1つでも欠けると、「噛めない・見た目が汚い・抜けてしまう」という結果を招いてしまいますので必ず確認してくださいね。

    専門医がオススメするインプラント歯科

    福岡県
    デンタルチームジャパン
    福岡市博多区博多駅前3丁目-30-15
    ライオンズマンション博多第15大京ビル2F
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    東京都
    西麻布口腔外科インプラントセンター
    東京都港区西麻布4-1-4 MKビル2F
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    医療法人原田歯科
    京都府久世郡久御山町佐山新開地196
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