歯がないままは困る!インプラントの治療期間はどれくらい?
インプラントといえば失った歯の代替医療のひとつ。でも、インプラント治療は、人工歯根を骨に埋め込み定着するのに少々時間がかかるといわれています。「その間、失った歯の部分はどうなるの?」。 確かに歯がないままでは困りますよね。インプラント治療の平均的な治療期間、それからインプラント手術が終了するまでの歯はどうなるのか、まとめてみました。
一般的なインプラント治療の流れとその期間
今回は、一般的な2回法によるインプラント手術の流れについてご説明します。
1.手術前検査
まずはCTにより骨の状態、血管や神経の場所などを診て、手術ができる状態かを判断します。手術ができると無事決まったら、画像解析ソフトを使って設計図を作ることからスタート。安全な手術のために細かくシミュレーションを行い、治療計画を患者様に伝え、同意をいただいた上で手術にのぞみます。
2.手術
手術では麻酔下で骨に穴をあけ、インプラントを埋め込んでいきます。最近ではドリルで大きく穴をあけたり、歯肉を広く切開したりする医院は少なくなってきましたので、それほど痛みはありません。
3.定着
骨とインプラントがしっかりと定着するまで、数週間かかります。これも患者様の状態によりますが、早い方で6週間、長い方で3ヶ月といったところです。その間、必要に応じて消毒を行います。
4.人工の歯の装着
インプラントが定着したら、型取りを行い人工の歯を作って、上に装着器具と人工の歯をはめていきます。その後は数ヶ月に1度メンテナンスを行い、歯周病がないか、しっかりはまっているかなどのチェックをします。 インプラント治療は検査から人工の歯の装着まで、約2ヶ月から3ヶ月。思ったよりも長いと感じた方が多いのではないでしょうか。やはり、外科的手術により人工歯根を骨に入れるという治療法なのでそれなりの時間はかかります。「3ヶ月も歯がないのは困る」という方には即日手術、仮歯を入れるといった特別な方法も可能です。
治療期間は一人ひとり異なるため事前にしっかり話し合いを
インプラントは自由診療ですので、一般的な治療方法というのはあっても、標準治療というのはありません。そのため、歯科医院によって治療期間、費用はさまざま。一般的な2回法以外にも、インプラントを埋め込むときに上の人工の歯まで被せてしまう1回法など多様な方法があります。
また、歯の生え方、骨の強さ、骨の形、血管・神経の位置などが一人ひとり異なりますので、インプラント手術はその患者様だけのオリジナルの手術ともいえます。そのため、治療期間も患者様それぞれで変わってきます。 例えば、糖尿病・高血圧や心臓病といった持病がある場合、多くの手術と同じように健康な方よりもリスクが伴うため、その持病の担当医と連携をとり、事前に血糖値・血圧を安定させる治療をする必要があります。
また、インプラントは骨に埋め込むものですので、骨吸収(歯の欠損により骨が薄い、量が少ない)が大きい方もすぐ手術はできません。骨再生、骨移植といった治療が別途必要になってきます。 これらの場合、当然のことながら治療期間は長くなっていきます。自分がどういう状態なのかを歯科医師に確認し、治療期間の目安を把握しておくことも大切です。
最短1日!患者様を考えたインプラント治療期間短縮の取り組み
インプラント治療は2ヶ月から3ヶ月程度かかるのが普通でしたが、最近では患者様の負担が少なくなるよう、仮歯を入れるだけでなく、根本的に治療期間の短い技術も登場しました。 抜歯した時にインプラントを埋め込む抜歯即時埋入方法は、抜歯と埋め込む手術が同時に行われるので、時間的にも節約でき歯がない時間も短くなり、切開をせずにそのまま埋め込めるというのが特徴です。
また、1回法はインプラントを埋め込む手術の日に、装着具、人工の歯の被せ物も同時につけるというものですので、歯がない期間がほぼありません。2回法よりも骨がしっかりあることが条件となります。 そのほか、ALL ON 4(オールオンフォー)という治療方法もあります。これは、ほとんど歯がないといった方向けの治療方法で、4本のインプラント(人工歯根)を埋め込んで、すべての人工の歯を支えるというものです。1回の手術で上顎、もしくは下顎のすべての歯が入り、その日のうちに仮歯をつけますので、歯がない期間がなくなりました。 このように現在、治療期間を短くするさまざまな治療方法があります。インプラント手術は日々進化しているので、納得のいく治療法を見つけてくださいね。
さまざまなインプラントの治療方法がありますが、インプラントを埋め込んで人工の歯をつけるといった流れはどれも同じ。 しかし、歯科医院によって取り組んでいる治療方法は異なりますし、治療期間・治療費用もさまざまです。もちろん、治療期間が長期間に及ばないのに越したことはありませんが、無理に短くしようとして安全性が失われてはいけません。自分の計画や理想を歯科医師にきちんと伝えて、自分にとって一番負担の少ない治療計画を医師とともに決めていきましょう。