インプラントの手術が怖い!痛み、腫れのピークはいつまで?
抜歯後の選択肢としてインプラント治療を提案されている・・・けれども、気になるのは治療の痛み。「インプラント治療は手術同然ともいわれているし、相当痛いのでは?」「痛いのは苦手!」と、心配でインプラント治療に踏み切れない方に向けて、実際のところはどうなのか、痛みを感じずに治療する方法はあるのか?治療法で痛みに違いがあるのかを解説します。
インプラント手術とは?一般的な流れを説明
まず、インプラントの治療ではどんなことをするのか確認しておきましょう。ここでは、インプラントの治療として一般的な「二回法」での流れを紹介します。
二回法では、外科手術を2回行います。
・1回目の手術
歯茎と骨に穴を開け、インプラント(人工歯根)をあごの骨に埋め込み、いったん縫合します。
・結合期間
インプラントと骨が結合するのを待ちます。(3ケ月から6ケ月)
・2回目の手術
インプラントと人工歯をつなぐアバットメントを連結します。そのために歯茎切開や骨を削る手術が発生します。
・人工歯の取り付け
人工歯を取り付けます。このとき手術はありません。
痛みはいつまで続く?治療の前後で痛みを軽減するポイント
二回法の治療では、合計で2回、外科的な手術を行うことがわかりました。では、手術中や手術後は痛みを感じるのでしょうか?
・手術中の痛み
2回目の手術では、どちらも局部麻酔を使うため、ほとんど痛みはありません。最初に打つ麻酔の注射はちくっとしますが、この注射の痛みは多くの方が抜歯や虫歯治療で経験済みなのではないでしょうか?
細い注射針を使用し、歯茎に表面麻酔の薬を塗ってから注射することで、麻酔注射の痛みも和らげることができます。
麻酔に不安がある場合は、事前によく相談しましょう。さまざまな方法でフォローしてくれます。
・手術後の痛み
手術後、麻酔が切れると、多くの場合痛みを感じ始めます。
歯茎の切開や縫合をするため、どうしても痛みは出てしまいますが、処方された痛み止めを早めに飲むことで痛みを軽減できます。
なお、痛みは手術の直後に出る場合や数日後から出てくる場合があります。また、痛みの強さや感じ方も個人差があるものです。
痛み止めが効かないときは遠慮せずに、歯科医師に相談しましょう。また、痛む部分を冷やすことで痛みが和らぐこともあります。手術後しばらくは柔らかいものを食べる、飲酒や喫煙は控える、よく休むということも大切です。
・抜糸時の痛み
手術後は縫合した糸の抜糸が必要です。抜糸時も人によっては痛みを感じますが、表面麻酔をすることで痛みを和らげることができます。気になる場合はあらかじめ相談しておきましょう。
治療法によって痛みの出方が違う?治療法4つ
インプラントにはさまざまな手法があります。治療法によって痛みに違いはあるのでしょうか?
・自分の骨や人工の骨を移植する場合
インプラントを埋め込む顎の骨が少ない場合、他の部分から骨を取ってくる骨移植を行う場合があります。骨移植は、骨を取ってくる場所とインプラントを埋める場所、2ヶ所で痛みが発生することになります。また、骨を取ってくる場所のほうが痛みを強く感じやすいと言われます。
人工の骨を移植する場合は、骨を取る場所の痛みはありませんので、痛む場所は1ヶ所で済みます。
・歯茎を移植する場合
歯茎の厚みが足りない場合、歯茎を移植する場合もあります。骨移植同様、2ヶ所で痛みが発生することになり、歯茎を取った場所のほうが痛みを感じやすいとされています。
・骨造成手術(サイナスリフト、ソケットリフト、GBR)を行う場合
上顎の骨に厚みが足りない場合、骨の厚みを補う骨造成手術をしてからインプラントを行うことがあります。骨造成の術後の痛みは、インプラントの埋め込み時より強く、腫れを伴う場合もあります。痛み止め以外に炎症を防ぐ抗生物質が処方される場合もあります。
・無切開無痛手術(フラップレスサージェリー)の場合
メスを使って歯肉を切開することなく、インプラントを埋め込む方法です。従来の手術に比べて、術後の痛みも身体への負担も少ない方法で、無切開無痛手術を行っていない歯医者もあります。また、全てのケースでこの方法が適応できるわけではありません。
いずれにしても、手術は麻酔下で行われるため、治療中の痛みはどれも変わりありません。治療後の痛みは治療法によって変わってくる場合があります。心配な場合は歯科医に、術後にどのあたりにどんな痛みが出ると考えられるか、よく聞いておきましょう。
どうしても心配な方は、痛みに弱いことなどを歯科医師に相談して、麻酔や痛み止めの処方を工夫してもらいましょう。
術後に無理しなくてよいようなスケジュールを組んでおくと、痛みが出た場合でも安心ですね。