トラブル防止!インプラント治療前に確認するべき3つのポイント
インプラントは、虫歯や歯周病、事故などで失った歯を補う治療法。さまざまな治療法がある中で、インプラントを選択する患者さんが増える一方、トラブルも発生しています。それにはどんな症例があるのでしょうか。また、トラブルを未然に防ぐため、治療前に医師に確認しておくべきポイントもご紹介します。
インプラント治療でのよくあるトラブルの例
まずはじめに、インプラント治療で見られる「よくあるトラブルの例」をご紹介しておきましょう。
<インプラントがぐらつく、抜ける>
埋め込んだインプラント(人工歯根)が固定されずにぐらつく、顎の骨からインプラントが抜け落ちてしまうといった場合があります。 インプラントを埋め込む位置や深さが適切でないと、インプラントと顎の骨が結合しません。インプラントは顎の骨と強く結合されなければ、しっかり噛むことができなかったり、抜けてしまったりします。
<上部構造(人工歯)がぐらつく、外れる>
インプラントに被せている人工歯がぐらぐらする、外れるといった場合があります。 人工歯を固定するアバットメントやスクリューなどの締め付けが緩いと、外れてしまうことがあります。また、噛み合わせが適切でないと、上部構造の連結部分に負担がかかって緩んでしまうこともあります。
<インプラント体や上部構造が欠ける>
インプラントやアバットメント、人工歯が欠ける、折れるといった場合があります。 噛み合わせが適切でないと、特定の歯に負担がかかり、インプラントやアバットメント、人工歯が破損することがあります。
<長期にわたって痛み・腫れ、またはしびれがある>
インプラント手術を行う際に、神経を損傷してしまっている、細菌感染によって炎症を起こしている、インプラントが天然の歯の歯根に接触しているなどが原因で、痛みや腫れ、しびれといった症状が出ることはありますが、長期的に続く場合は、何かのトラブルが起きていることも考えられます。
トラブル回避!インプラント治療前におさえておくべき3つのポイント
トラブルを防ぐためにも、以下のポイントを治療開始前に必ず確認し、納得して治療にのぞみましょう。
ポイント1:治療前の健康状態を伝える
インプラントの治療法は顎の骨にインプラントを埋め込む手術になります。顎の状態を診る検査は当然行なわれますが、麻酔を使用して歯茎を切開したり、痛み止めの内服薬を飲んだりもします。そのため、現在の健康状態や既往歴などの情報を細かく伝え、全身疾患への影響や問題がないかの情報を担当医に知らせておく必要があります。
ポイント2:治療方法の選択肢や費用について聞く
自身の健康状態や顎の骨の状態から、すすめられた治療法のメリット・デメリットを、他の治療法と比較しながら説明してもらいましょう。
もし、すすめられた治療法を使わずに別の選択肢を採用した場合、どのような影響があるかもあわせて聞いておきましょう。例えば、顎の骨の移植をすすめられている場合、それを行わないことでどのようなことが起こるのか。良い点だけでなく、他の治療法に劣る点や危険性などもしっかり確認しておきましょう。
■治療期間や費用について
治療法別にかかる期間や費用は異なりますので、その違いを比較してみましょう。場合によっては数ヶ月間の治療期間を要します。また費用もかなりまとまった金額になりますので、不安がなくなるまでしっかり確認してからインプラント治療にのぞみましょう。
ポイント3:治療後に必要なメンテナンス、トラブル対処法を確認する
■治療後のメンテナンスについて
インプラントは、手術をしたらそれで終わりではありません。状態を長く良い状態に保つため、日常のメンテナンスやケアが欠かせないのはいうまでもありませんが、どんなメンテナンスが必要で、費用はどれぐらいかかるのか、何ヶ月ごとに通院が必要か、事前に確認しておきましょう。
■トラブルが起きた場合の対応について
治療後、インプラントや上部構造(人工歯)が外れたり折れたりといったトラブルがあった場合、どのように対応してもらえるかも担当医に確認しておきたいところです。このようなトラブルに対して「保証制度」を設けている歯科医院もありますので、保証制度の範囲も聞いておきましょう。
より良い治療を!失敗しないためのセカンドオピニオン
インプラント治療は、歯科医院によって選べる手術方法やインプラントの種類が異なり、治療期間や費用もさまざまです。「これが本当に、自分にとってベストの治療法なのか?」と疑問に思うこともあるかもしれません。
いったん治療を始めてしまうと、別の方法を選択することが難しくなってしまいます。しかし、疑問や不安がある場合は、別の歯科医院の見解を聞いてみる「セカンドオピニオン」を活用することもできます。
セカンドオピニオンを受けることには、以下のようなメリットがあります。
・誤診を防ぐ
・治療の選択肢が増える
・提示された診断や治療方針への理解が深まる
セカンドオピニオンを受けるには、現在の担当医に、紹介状やレントゲン写真を用意してもらう必要があるので、その旨をきちんと話して用意してもらいましょう。
セカンドオピニオンは患者としての権利のひとつです。拒否されるようなら、その医院での治療は考えたほうがいいかもしれません。
なお、セカンドオピニオンを受けたあとは、基本的には担当医に報告しに戻ることになります。担当医に相談しながら、よりよい治療方法を選びましょう。
お金も時間もかかり、その後の口内環境に大きな影響を与えるインプラント治療。トラブルヲ未然に防ぐために、治療を受ける側の私たちも、疑問を残さないよう事前にしっかり確認することや、セカンドオピニオンを受けることが大切ですね。