そもそも歯列矯正とは？子どもと大人の矯正の違いは何？

歯列矯正は、簡単にいうと矯正器具で歯根に力をかけて動かしていく治療法です。永久歯を矯正する場合、矯正器具をつけ調整しながら少しずつ歯を動かして理想の歯並びに近づけます。ガタガタの歯、出っ歯、すきっ歯なども歯並びを整えることができます。 最近の傾向では、20代は就職・結婚を機に、40代は老後に歯を失わないために…といった理由で、大人になって矯正をする人が増えています。歯列矯正は、歯並びをきれいになるだけでなく、食物がしっかり噛めるようになる、鼻呼吸ができるようになる、正確な発音ができるようになるといった健康面での効果も。歯・体の健康が心配になってくる大人の方こそ、歯列矯正をおすすめします。 そうは言っても「大人の矯正って大変なのでは？」と思われる方も多いでしょう。子どもと大人の矯正はどこが違うのでしょうか。 子どもの矯正の場合、永久歯が生えそろう前であれば、歯が動かしやすいというメリットがあります。しかし、歯の生え方や顎の成長が読みづらいことも。また、決められたトレーニングができない、マウスピースを外してしまうといったことで矯正期間が延びることがあります。 大人の矯正の場合、すでに歯・顎も固定されているため、子どもの矯正より期間が長くなる傾向にあります。しかし、マウスピースを決められた時間はめておく、矯正器具を汚さないなどケアを怠らない方が多いため、当初目標とした期間より矯正期間が延びることは少ないです。

大人になってからの歯列矯正 メリットとデメリットは？

【メリット】 ・コンプレックスが解消され、自信がつく ・顔のバランスが整い顔全体に張りが出る、シワが薄くなる ・歯並びが整うことで接客業、営業などの仕事で有利に ・虫歯や歯周病になりにくくなる

【デメリット】 ・顎や歯がすでに完成しているため、器具で動かすことにより痛みが出やすく、また矯正期間が長くなることがある ・歯周病がある人が多く、すぐに矯正治療に取りかかれないことがある ・抜歯するケースが多い

メリット・デメリットそれぞれありますが、デメリットの中にはしっかりカウンセリングして、注意を払って矯正すれば防げるものも多くあります。大人になって歯列矯正をする場合には、より歯医者さんと二人三脚で治療を進める必要があるといえます。

大人におすすめの矯正方法4選　保険は適用されるの？

【ワイヤー矯正】歯にプラスチックのブラケットを取り付け、ワイヤーを通して歯を矯正するという一般的な矯正方法。汎用性が高くさまざまな歯並びに対応し、半年〜2年かけて治療します。目立たないよう歯の裏側に器具をつけることも可能です。

【マウスピース矯正】歯型に合わせたマウスピースを作成し、毎日一定時間装着する矯正方法。高低差のある歯並びには使えませんが、ワイヤーを入れる違和感が少なく目立たないことから大人の矯正として人気です。治療期間は半年〜2年かかります。

【インプラント】顎の骨に人工歯根を埋め込んで、その上にセラミックの歯をつける方法。短期間（即日〜2ヵ月）で理想の歯並びを手に入れることができますが、治療代が高い、外科的手術が必要といった欠点もあります。

【セラミッククラウン】歯を削り、セラミックの歯を被せて歯列矯正する方法です。歯を動かすことはなく被せるだけなので、治療期間は10～20日とかなり短い期間で治療が可能です。

基本的に、どの矯正方法も健康保険の適用外となります。しかし、国が定めた病気（例　顎変形症（がくへんけいしょう））などで外科的手術が必要なこと、厚生労働省が定めた医療機関で治療すること、ワイヤー矯正（透明なブラケットや裏側矯正は対象外）をすることの、3つの条件を満たした場合のみ、保険適用になることがあります。

 

歯列矯正は、医師とよく話し合い、自分に合った矯正方法を見つけることが大切です。どの矯正方法がよいかは、歯並びの状態や担当する歯科医の方針によって変わります。クリニックの中には、無料の矯正相談を行っているところも多いので、尋ねてみるのもよいでしょう。 特に、矯正を専門とするクリニックや、矯正専門医・矯正認定医が在籍するクリニックには、症例数が多いのでおすすめです。歯列矯正は、何歳でも誰でも始めることができます。信頼できる医師を見つけ、美しく健康的な口元を手に入れてくださいね。