ピンクの舌はNG?舌の色ですぐわかる、あなたの健康状態!
舌の色って気にしたことがありますか?実は、舌の色はあなたの健康状態を知るバロメーター。 舌が白く覆われてしまう状態のことを「舌苔(ぜったい)」といい、他にも紫や黒、黄色、緑、青、オレンジ、鮮やかなピンクなど、体調によって舌の色は変化しています。舌の色は健康状態や潜んでいる病気の症状、身体の不調の原因を教えてくれるサインとなる他、舌苔が付着している場合は口臭の原因にもなります。 最近では、タレントの堀ちえみさんが発症した「舌癌」が話題となり、舌の色や状態をチェックする人も増えているようです。 今回は、それぞれの舌の色がどんな症状や病気を知らせてくれるのか、そして口臭の原因となる舌苔のケア方法についてご紹介します。
舌に生える白い苔?! 口臭の原因となる舌苔とは?
一番健康な色は、薄いピンクにうっすらと白く見えるような状態です。それに対してよくあるのが白く苔が生えたような舌。この白い苔のようなものがある状態を「舌苔(ぜったい)」といい、舌の角質が溜まったもの、つまり舌の汚れが残っている状態です。舌の表面の細胞が角質化、それに口の中の細菌が繁殖して白くみえるというわけです。
ちょっと気持ちの悪い話ですが、口の中は細菌がいっぱい。300〜700種類の細菌がいるといわれ、その数は1000〜2000億、歯をあまり磨かない人だと6000億以上の細菌が繁殖しています。
口を開けて舌をよーく見てみましょう。表面がデコボコ、ザラザラしているのがわかりますね。これが舌の角質です。免疫力の低下・病気などで体のバランスが崩れる、角質の間の舌の小さなデコボコの間に食べ物のカスが挟まる、唾液の分泌が口呼吸の影響によって口の中が乾燥する、といったさまざまな原因からこのデコボコに角質が肥大化、その隙間に細菌がたまり、増殖していきます。
その細菌の色によって、白くなったり、黄色っぽくなったり、さらには黒色、紫色になることも。また、舌にはたくさんの血管が通っているので、血液の状態も舌の色でチェックできるというわけです。
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舌苔が口臭の原因にも。舌の汚れをケして口臭を改善する簡単な方法
さて、その舌苔ですが、口臭の原因にもなっていることをご存知でしょうか。舌の表面にある角質の間に、食べカスや表皮カスが溜まって腐敗すると、硫化水素を発します。その臭いは簡単にいうと、玉ねぎが腐ったような臭いです。結構嫌な臭いですよね。「口臭があるようだけど、歯周病や虫歯もないし、原因がわからない」という方はひょっとすると舌苔が原因かもしれません。
病気・免疫力の低下が原因となって起こる口臭の場合、例えば歯磨きをしない、口呼吸によるドライマウスの影響による白い舌苔では、簡単なケアで取り除くことができます。
一番簡単な口臭の対策は、毎食後に歯磨きを行いていねいに口をゆすいで汚れを取ること。そして口の中が乾かないように鼻呼吸を実践して、こまめに水分を補給します。これだけでずいぶんと舌苔は改善するはず。
さらにもう一歩進んだケアとして、直接舌苔を取る方法があります。歯磨きの後に、赤ちゃんに使うような柔らかいガーゼや市販の舌クリーナーで、やさしく舌苔をふきとり、その後何回か口をすすぎます。口の中がサッパリして舌苔の改善につながります。ただし、舌苔を取り除くときに歯ブラシでゴシゴシやったり、ティッシュペーパーなどで強くふき取ったりしてはダメ。
舌の表面に傷がつき細菌が繁殖、さらに口臭を悪化させる原因となってしまいます。
舌の色でわかる病気も。体調や健康状態がわかる危険な舌の色チェックリスト
舌は健康のバロメーターと最初にいったとおり、舌の色の状態で体調に問題があるのか、そしてどのような症状が表れる場合があるのかが分かることがあります。舌の色に違和感があれば、下記のチェックリストで調べてみましょう。
【白い舌】
舌の表面が見えないほど真っ白な舌苔のときは、カンジダに感染していたり、胃腸が悪かったりすることがあります。カンジダ菌は人の常在菌の一つですが、ストレスなどから免疫力が低下すると起こりやすい病気です。また、舌苔でなく舌そのものが白い場合は貧血の可能性もあるので要注意。
【黄色い舌】
黄色く分厚い舌苔が増えたときは、アレルギーのサインだといわれています。花粉症・気管支喘息・慢性鼻炎といったアレルギー疾患の前兆かもしれません。また、風邪をひいたときや、胃腸が悪くなったときも黄色の舌になりやすくなります。発熱などでドライマウス状態となったときに症状が出やすいので、水分を補うとよくなることがあります。
【黒い舌】
黒色の舌は、薬の副作用の場合があります。抗生物質を長く飲んでいると、体の中の細菌バランスが崩れやすく「黒毛舌症」という病気になることも。この状態になったら、かかりつけの専門医にまずは相談するのがおすすめです。
【鮮やかなピンクの舌】
健康な舌は薄いピンク色ですが、あんまり鮮やかなピンク色のときはやはり病気かもしれません。発熱したときやストレスを感じているとき、またビタミン類の不足が原因の場合があります。
特に悪いところがなくお手入れもしているのに鮮やかなピンクであれば、逆にお手入れしすぎの可能性も。舌苔がまったくなくても、味覚障害を起こしたり、知覚過敏になったりということもあるのです。
【紫色の舌】
紫色の舌は高血圧や脂質異常症、動脈硬化、冷え性、貧血の可能性があります。これらの病気・状態はいずれも血流が悪くなることで起こるもの。思い当たる疾患があれば、かかりつけの医師にまずは相談してみましょう。
また、過度のダイエット、更年期障害によっても起こることがありますので、状態に応じて体調を整えましょう。
舌の色でその日の健康状態が分かるって便利ですね。東洋医学では「舌は内臓を映す鏡」ともいわれ、診断材料のひとつとして使われています。白い舌、黒い舌、黄色い舌、濃いピンク色の舌、紫色の舌など気になる舌の色であれば、歯科や内科で診察してもらうのがよいかもしれません。
どこも悪くなかった場合、仕事・生活環境などによるストレス・不眠などの影響によることも考えられます。ストレスの可能性があれば、休息をとってゆっくり過ごしてください。1日のはじまり、朝の歯磨きタイムに舌の色や状態を確認して、身体の健康や病気予防に役立ててみてはいかがでしょう。